【本の要約・レビュー】モモ 「時間」とは何かを問う、エンデの名作

今回紹介するのはミヒャエル・エンデの名作「モモ」です。
初版が発売されたのが、1973年。

それから今まで読み継がれ続けている名作です。

色々な人が既にレビューをされていますが、私自身が読んで感じたことも
今回紹介させていただきます。

目次

この本の概要

出版社:岩波書店
発売日:2005/6/16
ページ数:432ページ
この本の読書難易度は★5中★1です。

『モモ』は世界的に評価されており、40以上の言語に翻訳され、数百万部以上を売り上げています。
ミヒャエル・エンデの代表作として、『モモ』は『はてしない物語』と並んで彼の最も成功した作品の一つです。

孤児の少女モモが主人公で、彼女は人々の話をじっくり聞く特別な才能を持っています。
彼女の住む町に「灰色の男たち」という謎の存在が現れ、人々の時間を盗み、効率主義を押し付け、
その結果、人々は心の余裕や幸福を失ってしまいます。

モモは、時間の管理者であるマイスター・ホラや、
不思議な亀のカシオペイアと協力して、灰色の男たちに立ち向かう物語です。

『モモ』は、現代社会における忙しさや効率化への批判を含みつつ、
人生の本当の豊かさとは何かを問いかける深いテーマを持っています。

もともと児童向けに書かれた本ですので、幅広い年代の方に読んでいただけると思います。

この本はこんな人におすすめです。

・効率主義に疑問を感じている人
・子供に時間の大切さを伝えたい人

今、ここに集中する

「いちどに道路ぜんぶのことを考えてはいかん、わかるかな?つぎの一歩のことだけ、
つぎのひと呼吸のことだけ、つぎのひと掃きのことだけを考えるんだ。
いつもただつぎのことだけをな。」

これは登場人物の、「道路掃除夫のベッポじいさん」のセリフです。
このセリフは色んな人が名言として取り上げているのですが、いいセリフですよね。

瞑想なんかが今、流行っていますが、こんな昔から大切なことは「今、ここ」
に集中することだといわれていたんですね。

時間を節約=豊かになる?

時間をケチケチすることで、ほんとうはぜんぜんべつのなにかをケチケチしているということには、
だれひとりきがついていないようでした。

『モモ』では、灰色の男たちが人々に時間を「節約」させることで、結果的に心の余裕や喜び、
絆などの「目に見えない大切なもの」を奪っていく様子が描かれています。

これは現代社会にも当てはまるなあ、、、と強く感じます。

スマホとかインターネットが社会に広まりましたが、結果として本当に豊かになったのでしょうか?
度を越えた効率主義は、人間らしさや、温かさを奪っていってしまうと思います。

何でも効率化を目指せばいいってものじゃないですよね。
うまく説明できないですが、そんな気がずっとしています。

忙しい現代人にこそ刺さる

この物語は、現代社会に生きる私たちに多くのことを教えてくれます。
「効率」を追い求めるあまり、大切なものを見失っていないか。
忙しさの中で忘れてしまった、本当に価値のある時間とは何なのか。

子どもから大人まで、誰もが楽しめる一冊です。

子どもにとっては冒険物語として、
大人にとっては哲学的なテーマを考えるきっかけとして、
それぞれ違った読み方ができるのも『モモ』の魅力です。

もし少しでも興味を持ったら、ぜひ手に取ってみてください。
モモの優しさと勇気に触れたとき、あなたの心に新たな気づきが生まれるはずです。
そして、きっと「時間」と「生きること」について考える新しい視点を得られるでしょう。

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