今回紹介するのは、ミヒャエル・エンデの名作『モモ』です。
初版が出たのは1973年。半世紀たった今も読み継がれているロングセラーです。
「分厚そうだけど、何ページあるの?」「子どもでも読める?」という疑問にもお答えしながら、あらすじと、私自身が読んで感じたことを紹介します。

この本の概要
著者はドイツの児童文学作家ミヒャエル・エンデ氏。日本語版の翻訳は大島かおり氏が手がけています。1973年の刊行以来、世界中で読み継がれているファンタジー文学の名作です。
岩波少年文庫版は、本文の挿絵もエンデ自身が手がけているのが特徴です。巻末にはエンデ夫妻と親交のあった佐々木田鶴子さんのエッセイも収録されており、物語の背景にあるエンデの人柄に触れられるのも魅力です。
『モモ』は世界各国で翻訳され、『はてしない物語』と並ぶエンデの代表作です。
もともとは児童向けに書かれた本ですが、大人が読んでこそ胸に響く場面も多く、幅広い年代の方におすすめできます。
『モモ』は何ページ?版の違いと読み方の目安
「モモは何ページあるのか」は、よく調べられている疑問です。手に入りやすい2つの版をまとめておきます。
- 岩波少年文庫版:410ページ/880円(税込)/2005年刊。出版社の対象年齢は「小学5・6年から」です。
- 単行本(ハードカバー):1976年刊/2,530円(税込)。手元にじっくり置いておきたい人向けです。
400ページを超えると身構えてしまうかもしれませんが、物語は3部構成になっているので、区切りながら読み進められます。エンデ自身が描いた挿絵も入っていて、子どもでも物語の世界に入りやすい一冊です。
これから読むなら、手に取りやすい岩波少年文庫版がおすすめです。
『モモ』のあらすじ(ネタバレなし)
主人公は、町はずれの円形劇場の廃墟に住みついた少女モモ。モモには、相手の話をじっくり聞くことで、その人の心を軽くする不思議な力があります。
ある日、町に「灰色の男たち」が現れます。彼らは人々に「時間を節約すれば豊かになれる」とすすめ、節約された時間を盗んでいく時間どろぼうです。人々はどんどん忙しくなり、心の余裕や笑顔を失っていきます。
異変に気づいたモモは、人間の時間を司るマイスター・ホラと、不思議な亀カシオペイアの助けを借りて、灰色の男たちに立ち向かいます。
『モモ』は、現代社会の忙しさや効率化への批判を含みつつ、人生の本当の豊かさとは何かを問いかける物語です。
この本はこんな人におすすめです。
『モモ』の主な登場人物
物語をより楽しむために、主な登場人物を簡単に紹介します。
- モモ:円形劇場の廃墟に住みついた小さな女の子。相手の話をじっくり聞くことで、人の心を軽くする不思議な力を持っています。
- ベッポ:モモの親友で、道路掃除夫のおじいさん。ゆっくり考えてから話す、寡黙で誠実な人物です。
- ジジ:モモのもう一人の親友。次々と空想の物語を語る、おしゃべりな若者です。
- 灰色の男たち:人々に「時間の節約」をすすめ、その時間を盗んでいく「時間どろぼう」。
- マイスター・ホラとカシオペイア:人間の時間を司る不思議な老人と、少し先の未来がわかる亀。モモを助け、灰色の男たちとの戦いに導きます。
ベッポとジジは性格が正反対の二人ですが、どちらもモモにとってかけがえのない存在です。灰色の男たちの影響で二人の生き方が変わっていく場面は、『モモ』の中でも特に胸が痛むところです。
今、ここに集中する
「いちどに道路ぜんぶのことを考えてはいかん、わかるかな?つぎの一歩のことだけ、
つぎのひと呼吸のことだけ、つぎのひと掃きのことだけを考えるんだ。
いつもただつぎのことだけをな。」
これは登場人物の、「道路掃除夫のベッポじいさん」のセリフです。
このセリフは色んな人が名言として取り上げているのですが、いいセリフですよね。
瞑想やマインドフルネスが注目されていますが、半世紀も前の物語の中で、すでに「今、ここ」に集中する大切さが語られていたんですね。
わたしが重ねたこと
この本でわたしがいちばん心に残ったのが、このベッポじいさんの言葉です。先のことを考えすぎず、目の前の一歩だけに集中する。『アルケミスト』にも似たことが書かれていて、今に集中することが、結果として大きな成果につながるのだと感じました。
時間を節約=豊かになる?
時間をケチケチすることで、ほんとうはぜんぜんべつのなにかをケチケチしているということには、
だれひとりきがついていないようでした。
『モモ』では、灰色の男たちが人々に時間を「節約」させることで、結果的に心の余裕や喜び、
絆などの「目に見えない大切なもの」を奪っていく様子が描かれています。
これは、現代社会にもそのまま当てはまると強く感じます。
スマホとかインターネットが社会に広まりましたが、結果として本当に豊かになったのでしょうか?
度を越えた効率主義は、人間らしさや、温かさを奪っていってしまうと思います。
何でも効率化を目指せばいいってものじゃないですよね。
うまく説明できないですが、そんな気がずっとしています。
まとめ:『モモ』は忙しい現代人にこそ刺さる
この物語は、現代社会に生きる私たちに多くのことを教えてくれます。
「効率」を追い求めるあまり、大切なものを見失っていないか。
忙しさの中で忘れてしまった、本当に価値のある時間とは何なのか。
子どもから大人まで、誰もが楽しめる一冊です。
子どもにとっては冒険物語として、
大人にとっては哲学的なテーマを考えるきっかけとして、
それぞれ違った読み方ができるのも『モモ』の魅力です。
もし少しでも興味を持ったら、ぜひ手に取ってみてください。
モモの優しさと勇気に触れたとき、あなたの心に新たな気づきが生まれるはずです。
そして、きっと「時間」と「生きること」について考える新しい視点を得られるでしょう。
人生の意味や本当に大切なものを問いかける物語という点では、以前ご紹介した『アルケミスト – 夢を旅した少年』にも通じるテーマがあります。あわせて読むと、さらに考えが深まるはずです。
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