私が養老さんのことを知ったキッカケはこのバカの壁がベストセラーになったときでした。
そのときは名前を知っている程度で、
後にNHKの『まいにち養老先生 ときどき まる』という養老さんの生活や考え方に密着したドキュメンタリー番組をみて考え方に興味を持ちました。
1冊目によんだ「ものがわかるということ」で一気に引き込まれ、今回「バカの壁」を読むに至りました。
結論、読んでよかったです。
ものがわかるということのルーツにもなる本だなと感じています。
バカの壁を読めば、そのあとに書かれた養老さんの本の吸収率がぐっと上がると思います。
この本の概要
この本はなんと660万部を達成している大ベストセラーです。
書籍の世界では10万部売れればベストセラーと言われている中で、
この数字は驚異的ですね。
養老さんの本は基本的に一読では理解しきれません。
何回も読んで自分の中で咀嚼する必要があるため難易度は高めです。
ですが、まったく意味がわからないわけではなく
「なるほど!」と思う所は多いかと思いますので誰にでもおススメできる本です。
特にこんな人にオススメです。
『バカの壁』とは何か
バカの壁とは、自分の持っている偏見や理解したつもりなどの思い込みから生まれます。
それによって相手と分かり合えないということが起き、ときには衝突を生んでしまいます。
バカの壁は誰にでも存在しているものです。
本書ではそれを自覚することで、少しでも気が楽になったり、分かり合えるようになったりすることを説いています。
この本ではこの「バカの壁」について科学、教育、政治など様々な角度から語られています。
今回はその中から私に響いたものをご紹介します。
個性よりも大事にすべきもの
最近では個性があることが重要だとされいます。
しかし変わらない個性なんて存在しないと養老さんは述べています。
今日の私と明日の私は違う。
それは毎日成長、老化していくわけですから当然のことです。
個性とは追求しなくても、すでにみな個性的であり同じ人間なんて存在しないわけです。
そんなことよりも社会の中で生きるには、
人の気持ちがわかるようになる方がよっぽど重要なのです。
社会という共通了解の中で、一人だけ違うことをしていてはおかしな事になってしまいます。
社会で生きていく上で考えなくてはいけないことは、
個性などではなく、人の気持ちがわかるようになることだというのは心に響きました。
「わかる」ということの勘違い
『わかったつもり』になってしまう1つの原因にアウトプットをおろそかにしているということがあります。
知識というのはインプットだけではダメでアウトプットを必要とします。
それは知行合一といいます。
現代ではインプットが中心になってしまっており、肝心のアウトプットがありません。
皆さんも覚えがないでしょうか?
今は何に困ってもネットやYoutubeを見れば解決方法が出てくる。
でも実際にやってみるとうまくいかない。
だけど次第にやってみて試行錯誤してみると自分のモノになります。
この「わかる」ということをさらに深堀りした書籍が「ものがわかるということ」です。
記事にしているので是非こちらもご覧ください。
バカの壁を克服するには
バカの壁を克服するには、
自分そして他者について思考することにヒントがあります。
その真意を知りたい方はぜひ本書を手に取ってみてください。
『バカの壁』
養老孟司さんの本は今まで何冊も読んできましたが、
共通する考えは基本的に一緒です。
ですが、読むたびに他の作品で腹落ちしていなかったことが少しずつわかるような感覚があります。
読む順番で言えば、養老さんに興味のある方は『バカの壁』から読むのがやはりおススメだと思います。
バカの壁をしっかり理解できていれば、
他の書籍の飲み込みも早いからです。
それだけエッセンスが詰め込まれた本が、
紙の書籍なら1000円以下、電子であれば600円ほどで読めるのだからすごいことです。
ぜひ皆さんも読んでみてくださいね!
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