子どもの頃、「悪口はやめなさい!」と叱られたことがある人は多いはず。
けれど、なぜ悪口はいけないのか? と問われたら、ちゃんと答えられる人は少ないのではないでしょうか。
本書『悪口ってなんだろう』は、その問いに真正面から挑みます。
「人を傷つけるから」だけでは語りきれない、悪口の本質と社会的な作用に迫る1冊です。
この本の概要
予備知識も必要なく、どの部分からでも読み進めることが出来ます。
この本はこんな人にオススメです。
悪口はどうして悪いのか?
本書は、私たちが日常で何気なく使ってしまう「悪口」について、
哲学と倫理の視点から問い直す一冊です。
SNSの中傷、職場や学校での陰口――それらがなぜ問題になるのか。
「悪口=悪」と単純に片付けるのではなく、なぜ私たちは悪口を言いたくなるのか、
そして言われたときどうすべきかを、やさしい語り口で紐解いてくれます。
特に印象的なのは、「悪口は、単に人を傷つけるだけではなく、相手の“ランク”を下げようとする行為だ」という指摘。これは、単なる道徳の話ではなく、権力関係や社会構造をも映し出します。
そして本書は、悪口にどう向き合えばいいのか、ただ我慢すればいいのか、それとも“言い返す”という選択もありうるのか――そんな難しい問いに、読者自身が答えを見つけられるよう導いてくれます。
本書を読んで感じたこと
そもそも悪口がなぜ悪いのかが、著者の考えによって新たに定義されているのですが、
私は読んで「その通りだ!」と納得しましたし、新しい視点で悪口をとらえなおすと
その対応方法も見えてきました。
「悪口を言われたら、言い返すことも大切!」
ということです。
「喧嘩すると自分も相手の立場に落ちる」
「スルーしたほうが大人」
等、色々意見はありますが、悪口の本質を鑑みると
適切に言い返さないといけないと思います。
それは、先にも述べた通り「悪口は人のランクを下げる」
という性質を持っているからです。
本書は悪口の本質やその影響を深く掘り下げた一冊です。
日常生活の中でよく耳にする悪口が、
どのように人間関係や社会に影響を与えるのかを考察し、
悪口を通して私たち自身や他者とのコミュニケーションを見つめ直すきっかけを提供してくれます。
悪口に対する理解を深めたい方におすすめの本です!
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