【本の要約・レビュー】頭がよくなる思考術~55個のアドバイスで考えを整理しよう~

今回は「考える」をテーマにした本をご紹介します。
あのミリオンセラー「超訳 ニーチェの言葉」の著者によるシリーズもので、
55個の思考術のアドバイスで構成されています。
一つ一つのアドバイスには哲学者や宗教上の教えなどに基づいており、
それらのエッセンスをギュッとまとめて紹介してくれています。

目次

頭がよくなる思考術 の概要

出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン
発売日:2005/10/15
ページ数:98ページ
この本の読書難易度は★5中★1です。

一つのトピックが非常に短いので、
通勤中などスキマ時間に読むのにおススメです。

この本がこんな人にオススメです。

・何かに行き詰っている方
・思考の整理ができないことがある方
・考えることや思考法をロジカルに知りたい方

著者 白取春彦 とは

ベルリン自由大学で哲学・宗教・文学を学び、評論家、作家として活動されています。
ミリオンセラーである『超訳ニーチェの言葉』は誰もが書店で見たことがあるくらい有名な作品です。

頭がよくなる思考術

思考には6つの傾向があります。

  • 利己的選択の思考
    →自分にとってもっとも多い利益をもたらすかを考える思考
  • 経験の反省にもとづいた思考
  • 感情的混乱の妄想
    →様々感情が乱れているときに生じる妄想的考え。
  • 知識の連絡による思考(読書理解)
    →読書やデータ情報を理解しようとするときの思考。
  • 本質把握のための思考(哲学的思考)
    →本質はなにかを洞察して抽出しようとする思考。
  • 論理的思考
    →数学などの論理のみによる思考。

これらを複雑に組み合わせることで考えることを実行しています。

一口に「考え」といってもこのような特徴があります。
これらを知っておくと自分がどういう考え方をしているのかを理解でき、
そのとき必要な状況判断に役立ちます。

ここからは、そんな考えることに役立つアドバイスを紹介していきます。
本書では55個のアドバイスがありますが、
ここでは厳選してご紹介します。

「答えを出せる」頭をつくる

書いて考えよ

複雑な計算をするときに紙に書きだすのとほぼ同じように、
人間は道具を使わなければ順序だてて考えることはできない。

考えるときに使う道具とは言葉であり、
言葉を使った時だけ考えることができる。

なので、ただぼんやりと考えることは想像の絵やイメージを並べているにすぎず、
考えているうちにはいらない。

ではどうすればよいかというと、紙に文字を書いてみて考えるのである。

「迷わない」頭をつくる

「心から」の視点で考えよ

禅師が修行僧に出す問題の一つにこんなものがある。

1個の桃がある。これを三人で分けるにはどうすればよいか。
この問題の難しいところは桃の果肉の甘味が均一ではないことにある。
なので三等分しても甘味は不均一になる。

この答えは、「不均一に切ってそれぞれ譲り合って仲良く食べる」ということだ。

この問題で問われているのは等分ではなく、
各自の心の満足にあるのです。

数学的な量や質で決めようとするのではなく、
心という視点から問題を考えるという視点を持つことが大切だ。

「楽しく生きる」頭をつくる

「幸せ」ではなく「満足」を求めよ

誰もが幸せを求めるが、求めるべきは満足である。

幸せは日本語で仕合せと書く。英語ではHAPPY。ドイツ語ではGLUCK。
これらはみな「偶然」という意味から生まれている。

つまり幸せとは偶然から得られるものなのだ。

対して満足は、自分の行いによって必然的に得られる結果である。
いつ起きるか分からない偶然の仕合せを願うよりも、
満足した一日、日々を過ごし、満足に満ちた人生を生きることが確かな幸せと呼ぶべきである。

自分のしたいことをせよ

自分のしたいことをすることが満足への道である。

そのために自分が本当は何をしたいのかを考え知っておくべきなのだ。

怠け者は自分のしたいことを環境や周囲の人間のせいにしているというが、
自分を欺いているにすぎず、その代償として不満という感情が残ってしまう。

「クリアな」頭をつくる

自分の感情に酔うな

酔った頭で何かを考えて判断すると間違いを犯すのと同じように、
怒りや喜びなど激しい感情に囚われているときも正しい思考ができない。

具体的にどうしてみるかというと、
正しい思考を妨げる感情に関わらないようにしてみるのだ。

例えば激しい怒りがあっても、
それを客観的にみて、自分とは関係のない人のことのように考えるのです。

これは意識して練習すると自然に身につくもので、
実はゴータマ・シッダールタが唱えた煩悩忘却方法なのである。

「創造する」頭をつくる

わからないことから逃げるな

わからない事柄は自分に関係のない事柄ではなく、
自分なりに理解しなければならない事柄である。
人生において大事なことのほとんどは自分が関わってみてはじめてわかることである。

つまりわからないことから逃げるということは、
人生において大事なことを自ら見過ごしてしまうということなのです。

わからない事柄をその時に持っている知識や勇気で自分なりに解いていく。
そしてそこから新しい自分が生まれるのです。

わからないことから目を背けず、苦しみながらでもぶつかっていき、
新しい自分を開拓していく。
そこに人間としての美しさがあるのです。

最後に

いかがだったでしょうか?

55個もアドバイスがあるので誰が読んでも、
何か刺さるものが見つけることができると思いました。

また真面目にすべてを読もうとしなくても、
つまみ食いでも楽しめるコンテンツかと思います。

タイトルは難しそうですが、
肩ひじ張らずに読めるボリュームなのでぜひ読んでみてください。

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