コロナの流行もあり、我々は大きな生活の変化を求められました。
今まで普通に出来ていたことが出来なくなり、
人によってはとても大きなストレスを感じていると思います。
メンタルにダメージをおってしまった人も、中にはいるのではないでしょうか。
そんな皆さんに紹介したいのが、
本書『自衛隊メンタル教官が教える イライラ・怒りをとる技術』です。
著者は陸上自衛隊出身で、
陸上自衛隊では初となる心理カウンセラーとして隊員のメンタルケアに取り組んでいたそうです。
経歴から見て、普通のカウンセラーとは異なっています。
そんな著者が様々な視点でイライラ・怒りへの対処法を説明してくれます。
著者の下園壮太氏は、1996年に陸上自衛隊初の心理幹部となり、隊員のメンタルヘルス教育や自殺予防、危機対応カウンセリングに携わってきました。2015年の退官後は、NPO法人メンタルレスキュー協会の理事長として、一般向けにも「怒り」や「疲労」との付き合い方を伝える活動を続けています。
『自衛隊メンタル教官が教える イライラ・怒りをとる技術』の概要
本書はこんな方におすすめです!
本書の冒頭部分は、朝日新聞出版の公式note「朝日新聞出版さんぽ」でも試し読みができます(試し読みはこちら)。購入前に文体や雰囲気を確認したい方は参考にしてみてください。
『自衛隊メンタル教官が教える イライラ・怒りをとる技術』から学んだこと
怒り=生き残るための防衛システム
そもそも怒りとは何の為にある感情でしょうか。
怒りは人間が原始人であったころから備わっている古い感情です。
その役割は、
「生き残るために、敵と戦う時」
発動される感情です。
敵と戦うため、呼吸は浅く早くなり、
いつでも行動が起こせるように体は準備します。
そして心は攻撃的になり、相手を打ち倒そうとします。
普段は気弱な人でさえ、
怒りの感情に支配されると暴力的になったりします。
怒りの本質は「力づくで現状打破したい!」
こう思ったときに、発動される感情なのです。
本書ではこの怒りの仕組みを、「自分の身を守ろうとする、心の中の警備隊長」に例えて説明しています。警備隊長は危険を感じると全力で対応しようとしますが、争いの少ない現代社会ではその「全力対応」がかえって人間関係のトラブルを招いてしまうことがある、という指摘です。
怒りは大切な感情だけど・・・・
上述した通り、怒りは大切な感情です。
怒りがあるおかげで、人間は強敵に立ち向かうことができ、
大切なものを守ることが出来るからです。
一方で、怒りというのは非常に強い感情で、
もともとは「生きるか、死ぬか」の場面で発動する感情でした。
原始人は、怒ることで生存競争を生き抜いてきました。
ただ、現代ではそんな場面は少ないですよね。
なので怒ってしまうと、
その効果が過剰に発揮されてしまうことが多いのです。
どういうことかというと、
怒っているときは人間は非常に短絡的というか視野が狭くなります。

どっちが勝ちか負けか
という極端な思考になって今います。
パワハラ、あおり運転、家庭内暴力、、、
これらは怒りを原因として、
上記の極端な状態になってしまっているのです。
原始人時代はよかったですが、
今の時代は怒ることでのメリットが非常に小さくなっているのです。
【対処法】それでも怒りそうになったら
そうはいっても人間、怒りたくなることはありますよね。
そんな時は、どうすればよいのでしょうか?
よく世間では「6秒ルール」なんてことが言われています。
これは怒りが沸いたら、
6秒我慢することで怒りが収まるというメソッドです。
本書では6秒ルールは効果的であるという一方で、
その怒りが強力な場合は6秒をやり過ごすこと自体が難しいと指摘しています。
確かに頭に血が上った時点で、もう冷静になることは難しいですよね。
そこで本書が提案しているのは、
「物理的に距離をとる」
ということです。

例えばトイレに行ったりして、
そもそもの怒りの元から離れるのが非常に大事だと言っています。
物理的に距離をとることで、怒りも次第に落ち着いてきます。
皆さんもぜひ試してみてください。
このほか本書では、いきなり反論しようとするのではなく、いったん安全な場所に身を置いたうえで、信頼できる人に気持ちを話して発散する方法も紹介されているようです。一人で抱え込まず、誰かに話すことも怒りを鎮める手段の一つといえそうです。
『自衛隊メンタル教官が教える イライラ・怒りをとる技術』
を読んで一番心に刺さった部分
「怒りは人間の理性を乗っ取る」
この一文が一番心に刺さりました。
いろいろな事件が日夜起きています。
その多くは、
一瞬の怒りに理性を支配されて起こったものが多いのではないでしょうか。
怒った瞬間、人間は我を忘れているのです。
このことを胸に刻んで生活していく必要があると思います。
『自衛隊メンタル教官が教える イライラ・怒りをとる技術』を読んでの感想
「怒るのは本当の最終手段。
現代社会では怒るメリットは少ない、
かつ
怒りは過剰な防衛行動につながることが多い」
これが本書を読んで私が学んだことです。
社会生活を送っていると、必ず怒りたくなる場面は出てきます。
本書ではその対応策として、
感ケア5(感情のケアに有効な5つの要素)を紹介しています。
論理的に怒りの対象法が書いてあり、
非常に参考になるのでぜひ読んでみてください。
同じく「怒り」との向き合い方をテーマにした一冊として、禅僧・草薙龍瞬氏による『怒る技法』の要約・レビューもあわせてご覧ください。仏教的な視点からの怒りとの向き合い方を知ることができます。


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