「宅建、独学でも受かるのかな」
「仕事も子育てもあるのに、勉強時間なんて作れるんだろうか」
宅建の勉強を始めようか迷っている方は、きっとそんな不安を抱えているのではないでしょうか。
私は事業会社の財務部で働いています。昨年(令和7年度)の宅建試験を独学で受験し、一発合格しました。勉強期間は1年、平日は1時間・休日は2時間。結果は36点でした。
実は、その前に簿記2級も独学で取っています。ただ、正直に言うと、宅建は簿記2級より圧倒的に大変でした。子育てをしながらの挑戦だったので、なおさらです。
この記事では、働きながら・子育てをしながら宅建に独学で合格した勉強法を、試験の最新データとあわせてまとめました。
この記事でわかること
- 宅建試験の概要と、最新の合格率・合格点
- 独学に必要な勉強時間の目安と、私の実際の時間
- テキスト2周 → 問題集で合格した、1年間の勉強の流れ
- 宅建業法で稼ぎ、税は割り切る——科目ごとの戦略
- 子育て中でも勉強時間を作るための、スキマ時間の使い方
この記事の結論:独学合格のポイントは3つ
先に大事な点をお伝えします。
- 問題集を回して、記憶に定着させる(テキストを読むだけでは覚えられない)
- 宅建業法を得点源にし、権利関係もなるべく取る(税は完璧を目指さない)
- スキマ時間を使い倒す(通勤時間・昼休み・早朝・夜)
宅建はどんな試験?【試験概要と合格率】
まずは、試験の全体像をおさえておきましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受験資格 | なし(年齢・学歴などに関係なく誰でも受験できる) |
| 試験日 | 年1回・10月(令和8年度は10月18日) |
| 試験時間 | 2時間(13時〜15時) |
| 出題 | 四肢択一式・50問 |
| 受験手数料 | 8,200円 |
| 合格基準 | 年度ごとに決まる(令和7年度は50問中33点) |
※登録講習修了者は5問が免除され、45問・1時間50分で受験します。最新情報は、試験を実施している>不動産適正取引推進機構の公式サイトで確認してください。
合格率は2割弱。合格点は毎年変わる
不動産適正取引推進機構が公表している>試験実施概況によると、直近3年の結果は次のとおりです。
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 合格点 |
|---|---|---|---|---|
| 令和7年度 | 245,462人 | 45,821人 | 18.7% | 33点 |
| 令和6年度 | 241,436人 | 44,992人 | 18.6% | 37点 |
| 令和5年度 | 233,276人 | 40,025人 | 17.2% | 36点 |
合格するのは、およそ5人に1人。しかも合格点は、年度によって33点から37点まで動いています。
つまり、「何点取れば受かる」かは、受ける前にはわかりません。私の36点は、令和7年度の合格点33点を上回っていましたが、令和6年度の基準なら届いていなかった点数です。
だからこそ、合格点ぎりぎりを狙うのではなく、取れる科目で確実に点を積み上げることが大切です。
宅建の勉強時間は?目安と私の実際
宅建の勉強時間の目安は、>TACの公開情報によると、法律の初学者が独学する場合で600時間以上、資格予備校を使う場合で400時間とされています。
私の場合は、1年間、平日は1時間・休日は2時間のペースで勉強しました。単純計算すると、1週間で約9時間、1年で約470時間です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受験年度 | 令和7年度(2025年10月) |
| 結果 | 36点で一発合格(合格点は33点) |
| 勉強期間 | 約1年 |
| 勉強時間 | 平日1時間・休日2時間(単純計算で約470時間) |
| 学習形態 | 完全独学 |
| メイン教材 | 『宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト』+問題集 |
| 環境 | フルタイム勤務+子育て中 |
| 保有資格 | 簿記2級(宅建より先に独学で取得) |
簿記2級のときは、6か月・約220時間でした。宅建は、期間も時間も倍以上。数字で見ても、簿記2級よりずっと重い試験だったことがわかります。
そもそも、なぜ宅建を受けたのか
きっかけは、財務部で土地に関係する業務を担当することになったことでした。
土地の話になると、権利や法律の知識がどうしても必要になります。それなら、体系的に学べる宅建を目指そう——そう考えたのが、受験を決めた理由です。
1年間の勉強の流れ
実際に私が進めた流れは、次のとおりです。

大きく分けると、テキストを2周 → 問題集をひたすら回す、というシンプルな流れです。ノートは特に作りませんでした。
STEP1|テキストは2周。ミニ問題を解きながら進める
テキストは、LECの『宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト』を使いました。>LECの紹介ページによると、図解とイラストで解説し、科目ごとに分けて持ち運べる分冊方式のテキストです。
テキストの中にミニ問題が付いているので、それを解きながら読み進めました。読んだ内容をすぐに問題で確認できるので、「読んだだけで終わる」のを防げます。
テキストは2周。ノートは作らず、テキストと問題を行き来することに時間を使いました。まとめノートを作る時間があるなら、1問でも多く解いたほうがいい——今振り返っても、そう思います。
STEP2|問題集を回して、記憶に定着させる
テキストを2周したら、問題集に入ります。ここが、宅建の勉強の本番です。
これから受ける方に一番伝えたいのは、とにかく問題集を回して、記憶に定着させること。
テキストだけを見ていても、覚えることはできません。宅建は覚える量が多い試験です。問題を解いて、間違えて、もう一度解く。その繰り返しで、ようやく知識が頭に残ります。
もうひとつ大事なのが、問題の出題のされ方をつかむことです。知識があっても、どう問われるのかを知らないと、本番ではなかなか解けません。問題集を回すことは、出題のパターンに慣れるための練習でもあります。
簿記2級との違いは「範囲の広さ」。だから忘れる前に思い出す
簿記2級と比べて、宅建で一番大変だったのは、とにかく勉強範囲が広いことでした。
権利関係、宅建業法、法令上の制限、税——ひとつの科目を勉強しているあいだに、前に覚えた科目をどんどん忘れていく。宅建の勉強は、忘れることとの勝負でした。
「エビングハウスの忘却曲線」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。人は覚えたことを、時間がたつほど忘れていく、という研究です。逆に言えば、完全に忘れてしまう前に思い出せば、記憶は残りやすくなります。
そこで私は、期間を空けすぎずに、問題集を繰り返すことを意識しました。といっても、全部の問題を解き直すと時間がかかりすぎます。そこで、間違えた問題にチェックを付けておき、少し時間をおいてチェックの付いた問題だけを解き直す。思い出す回数を増やすことで、広い範囲の知識を本番まで保てるようにしていました。
簿記2級は、計算の「型」を身につければ解ける問題も多い試験でした。宅建は、覚えた知識をどれだけ忘れずに持っていられるか。同じ独学でも、勝負どころが違うと感じています。
科目別の戦略:宅建業法で稼ぎ、税は割り切る
宅建の50問は、大きく4つの科目に分かれます。私が意識したのは、出題数の多い科目から点を取ることでした。

| 科目 | 出題数 | 私の戦略 |
|---|---|---|
| 宅建業法 | 20問 | 最優先。ここを得点源にする |
| 権利関係 | 14問 | 出題数が多いので、なるべく確実に得点したい |
| 法令上の制限 | 8問 | 宅建業法・権利関係の次に取り組む |
| 税・その他 | 8問 | 完璧は目指さない。ある意味、割り切る |
※出題数は一般受験者の場合。
宅建業法は、最大の得点源
宅建業法は、50問中20問。全体の4割を占めます。ここで点を落とすと、合格はぐっと遠のきます。
出題数が多いぶん、勉強した時間がそのまま点数につながりやすい科目です。まずは宅建業法を固めることを、最優先にしていました。
権利関係も、出題数が多いからこそ取りたい
次に力を入れたのが、権利関係です。14問と、宅建業法に次いで出題数が多い科目です。
ここもなるべく確実に得点したい科目。宅建業法と権利関係で点を積み上げられれば、合格ラインがぐっと近づきます。
税は、本番で完璧に答えるのが難しい
逆に、税関係は、勉強しても本番で完璧に答えるのはなかなか難しいと感じました。
だからこそ、ある意味で割り切る。限られた時間を、点数につながりやすい科目に回す。全部の科目で満点を目指すのではなく、どこで点を取るかを決めておくことが、働きながら合格するためのコツだと思います。
本番の科目別の点数は記録していなかったのですが、手ごたえとしては、おおむねこの作戦どおりの得点だったと思います。宅建業法と権利関係で点を積み上げ、税は割り切る——その結果が、合計36点でした。
子育て中でも勉強時間を作る:スキマ時間の使い方
受験したときは、子育て真っ最中でした。子どもの世話もしなければいけないので、まとまった時間はなかなか取れません。

そこで、スキマ時間をとにかく使いました。
- 平日:通勤時間と昼休みを勉強にあてる
- 休日:日中は子どもとの時間を優先し、勉強は早朝と夜にする
- 直前期:休日の日中も勉強にあてる
休日の日中は、子どもとの時間を大切にしたい。その代わり、早朝と夜は勉強の時間と決めていました。全部を勉強に捧げるのではなく、守りたい時間を先に決めて、残りを勉強にあてる。それが、1年間続けられた理由だったと思います。
宅建の独学でよくある質問
宅建は独学でも合格できますか?
私は完全独学で、一発合格できました。使ったのは、基本テキストと問題集です。
ただし、勉強時間はそれなりに必要です。私の場合は1年かかりました。早めに始めて、毎週の勉強時間を確保しておくのがおすすめです。
1日の勉強時間はどれくらい必要ですか?
私の場合は、平日1時間・休日2時間で、期間は1年でした。
1日の時間が短くても、期間を長めに取れば合格を狙えます。逆に、短期間で合格したい場合は、1日の勉強時間を増やす必要があります。
簿記2級と宅建、どちらが難しいですか?
私は簿記2級を先に取りましたが、圧倒的に宅建のほうが大変でした。一番の理由は、勉強範囲の広さです。勉強期間も、簿記2級の6か月に対して、宅建は1年かかっています。
簿記2級の勉強法は、働きながら簿記2級に独学で合格した勉強法にまとめています。
税の分野は、捨ててもいいですか?
私は「完璧を目指さない」という意味で割り切りました。税は、勉強しても本番で完璧に答えるのが難しいと感じたからです。
その分の時間を、出題数の多い宅建業法と権利関係に回していました。
何から始めればいいですか?
まずは、テキストを1冊決めて読み始めることです。私の場合は、テキストを2周してから問題集に入りました。
テキストは、読むだけで終わらせず、付いている問題を解きながら進めるのがおすすめです。
まとめ|宅建は「問題集」と「科目のメリハリ」で合格を狙う
- 宅建は受験資格なし。合格率は2割弱で、合格点は年度ごとに変わる
- 勉強時間の目安は、法律初学者の独学で600時間以上。私は1年・約470時間で合格
- テキストは2周。そのあとは問題集を回して、記憶に定着させる
- 宅建業法を得点源にし、権利関係もなるべく取る。税は完璧を目指さない
- 子育て中は、通勤・昼休み・早朝・夜のスキマ時間を使い倒す
結果は36点。合格点の33点を上回り、一発で合格できました。
仕事も子育てもあると、勉強時間は限られます。でも、時間が限られているからこそ、どこに時間を使うかがはっきりします。
仕事や子育てと両立しながら、宅建に挑戦しようとしているあなたへ。ぜひ、今日から試してみてください。
会計や財務の勉強にも興味がある方は、簿記2級の独学勉強法や、『財務3表一体理解法』の記事もあわせてどうぞ。
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