【画集レビュー】江口寿史『彼女』は、見ているだけで恋をする本。“一瞬のときめき”を永遠に。

ある日、本屋でふと目に入った1枚のイラスト。
なぜか目が離せなくて、気がついたらじっと見入ってしまっていました。

どこか懐かしいのに、今っぽい。

色づかいも構図も洗練されていて、思わず「この絵、誰が描いたんだろう?」と調べてみたんです。

その答えは、江口寿史先生

そしてその絵が収録されている作品集が、今回ご紹介する**『彼女』**という画集でした。

江口寿史先生ってどんな人?

江口寿史(えぐち・ひさし)先生は、日本の漫画家・イラストレーター。1956年生まれ。
1980年代に連載されたギャグ漫画『ストップ!! ひばりくん!』で一世を風靡しました。

実はこの作品、「女装男子」キャラの元祖とも言われているんだとか。
時代の先を行く作風で、まさにジャンルを切り拓いた存在です。

現在では漫画だけでなく、CDジャケットや広告、アパレルブランドとのコラボなど、
幅広い分野でイラストレーターとしても活躍中。

ファッション性の高い女性像や、空気感を感じさせる構図が印象的で、
「見た瞬間に江口作品とわかる」独特のタッチが魅力です。

「離婚伝説」のジャケットも江口先生だった!

ちなみに、最近私がハマっているバンド「離婚伝説」のジャケットにも江口先生のイラストが使われていてビックリ!

↑このジャケット。見た瞬間に「あっ、江口先生だ」と分かる存在感。

自分の“好き”が不思議と繋がったような感覚で、ちょっと運命的なものを感じました。

江口作品の魅力って?

江口先生のイラストには、**「なんでもない瞬間を、特別にする力」**があります。

ポップな色づかい、絶妙な構図、そして女の子たちのふとした表情や仕草。

どれもが“今この瞬間”のきらめきを閉じ込めたようで、見ていると胸がキュンとする。

飾りすぎていないのに、おしゃれ。

リアルすぎないのに、感情が伝わってくる。

そんな不思議な“ときめき”が、江口作品には詰まっています。

↑さりげない仕草や視線に、ドキッとさせられます。

画集『彼女』について

そして今回ご紹介するのが、江口先生の女性イラストを集めた美人画集『彼女』です。

この一冊には、雑誌、コミック、ポスターなどから厳選された約350点の女性像が収録されています。
タッチや構図もさまざまで、リアルな絵からデフォルメされたものまで、ページをめくるたびに表情が変わります。

“描かれた女性たち”を見ているだけで、なんだか映画を観ているような気分に。

実はこの画集、2018年から2020年にかけて全国の美術館で開催された

「江口寿史イラストレーション展 彼女」(来場者数 約5万人)をもとに再構成されたもの。

まさに“作品展そのままを本にした”ようなボリューム感。
ページをめくるたびに、あの展覧会の世界へトリップすることができます。


気になった人はぜひ手に取ってみて

もしこの記事で紹介した絵にピンときたなら、ぜひ『彼女』を手に取ってみてください。

スマホで画像を見るのとはまったく違う、“紙の質感ごと味わう感動”があります。

めくるたびに感じる、
「こんなに可愛いのに、なんで切ないんだろう?」という気持ちも、きっと体験できるはず。

イラスト好きな人はもちろん、ファッション、写真、アートが好きな人にもおすすめの一冊です。

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