●読もうと思ったきっかけ
・内容が難しく、途中で諦める本が増えてきたから
・自分の読解力を向上させることで、更に幅広い本を読めるようになりたいと思ったため。
著者・山口 尚とは
著者は京都大学総合人間学部卒業し、
現在は大阪工業大学非常勤講師、
京都大学非常勤講師を務めています。
心の哲学、宗教哲学、自由意志などを専門にしています。
『難しい本を読むためには』の概要・あらすじ
本書は同時に、難しい本を読むことにかんする必勝法は存在しないが
山口 尚 『難しい本を読むためには』筑摩書房(2022/8/8)
「正攻法」は存在する、と指摘するでしょう。
本書では難しい本を読むための読書術が語られていきます。
その読書術ですが、引用文の通り「正攻法」的な方法です。
ただ方法論が書いてあるだけではなく、
実際の文章が例題として取り上げられているので、
紹介されている方法を使いながら、学ぶことができます。
文章は少しむつかしいのですが、
”なぜその読み方が必要なのか”
”その読み方をするとどうなるのか”
といった
読書術の理由までしっかり説明されているので、
身に着けることが出来れば応用が利くものになっています。
『難しい本を読むためには』から学んだこと、心に残ったこと
キーセンテンスの重要性とその探し方
キーセンテンス=文章全体の主張を表現する文
山口 尚 『難しい本を読むためには』筑摩書房(2022/8/8)
読解で大事なのはキーセンテンスをつかんでいくこと。
いや当たり前じゃない!
そんな声が聞こえてきそうですが。
皆さん出来ていますか?
実際読書をしていると、本の内容を追っているだけで、
どこが大事なのか考えていない時が多くないでしょうか。
これは私も良くあるんですが、本を読んだ後に
「あれ、、、結局何が言いたい文章なんだろう。。。?」
こうなることありませんか?
それはやはり、キーセンテンス=筆者の主張を見つけながら
読んでいないからだと思います。
じゃあキーセンテンスを探しながら読んでいくんですが、
ここでもの凄く大切なことがあります。
正直、この本を読んで一番学びになったポイントです。↓
キーセンテンスを探すことは、自分が賛成できる箇所を探すことではなく、
山口 尚 『難しい本を読むためには』筑摩書房(2022/8/8)
書き手が筋道立て言おうとしている結論を探すことだ。
この一文を読んで「あっ今までの読書間違っていたな・・・」と思いました。
なぜなら自分が本にマーカーしている個所はまさしく
自分が大切だと思っている=賛成できる箇所
だったからです。
これでは筆者の言いたいことを理解できるわけありませんよね。
なぜなら、自分が賛成できる所だけを重要視するという
間違ったフィルターをかけてしまっているからです。
自分の考えはまず置いて、
筆者の主張がどう展開されていて、
何が大切なのかを追っていかないと
本の内容は理解することはできません。
グルグル回りに入り込み 読み進めていく
全体の主張と各部分の意味をそれぞれ理解するには、
全体と部分の「グルグル回り」にうまく入り込むことが大事。
山口 尚 『難しい本を読むためには』筑摩書房(2022/8/8)
これはつまり
個々の1文の意味が分からないときは、
文章全体の内容をとらえることで、
その意味が見えてくる。
逆に文章全体の内容が捉えられないときは、
個々の1文の意味を捉えることで、
その意味が見えてくる。
これを繰り返すことが「グルグル回り」に入り込むということです。
文章を読むということは、キーセンテンスを探し出し、
全体と部分を行ったり来たりし、
最終的な理解に到達することを目指すものなのです。
『難しい本を読むためには』の感想・こんな人におススメ!
におススメの本です!
本書は実際の難しい文章を例題として
扱いながら読み進めていきます。
なので、実際にどう読んでいけば良いのかがイメージしやすくなっています。
ハウツーをただ紹介する本ではないので、
読む進めていくのには労力がいりますが、
その分、実践で使えるスキルを本書で身に着けることが
できると思います。
この本に興味を持った方はぜひ手に取ってみて下さい!
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