【本の要約・レビュー】『難しい本を読むためには』~キーセンテンスを捉えて、グルグル回りに入り込む~

【本の概要】
本のタイトル:難しい本を読むためには
出版社:筑摩書房
発売日:2022/8/8
ページ数:272ページ
この本の読書難易度は★5中、★4.5です!

●読もうと思ったきっかけ
・内容が難しく、途中で諦める本が増えてきたから
・自分の読解力を向上させることで、更に幅広い本を読めるようになりたいと思ったため。

目次

著者・山口 尚とは

著者は京都大学総合人間学部卒業し、
現在は大阪工業大学非常勤講師、
京都大学非常勤講師を務めています。

心の哲学、宗教哲学、自由意志などを専門にしています。

『難しい本を読むためには』の概要・あらすじ

本書は同時に、難しい本を読むことにかんする必勝法は存在しないが
「正攻法」は存在する、と指摘するでしょう。

山口 尚 『難しい本を読むためには』筑摩書房(2022/8/8)

本書では難しい本を読むための読書術が語られていきます。
その読書術ですが、引用文の通り「正攻法」的な方法です。

ただ方法論が書いてあるだけではなく、
実際の文章が例題として取り上げられているので、
紹介されている方法を使いながら、学ぶことができます。

文章は少しむつかしいのですが、

”なぜその読み方が必要なのか”
”その読み方をするとどうなるのか”

といった
読書術の理由までしっかり説明されているので、
身に着けることが出来れば応用が利くものになっています。

『難しい本を読むためには』から学んだこと、心に残ったこと

キーセンテンスの重要性とその探し方

キーセンテンス=文章全体の主張を表現する文

山口 尚 『難しい本を読むためには』筑摩書房(2022/8/8)

読解で大事なのはキーセンテンスをつかんでいくこと。

いや当たり前じゃない

そんな声が聞こえてきそうですが。
皆さん出来ていますか?

実際読書をしていると、本の内容を追っているだけで、
どこが大事なのか考えていない時が多くないでしょうか。

これは私も良くあるんですが、本を読んだ後に
「あれ、、、結局何が言いたい文章なんだろう。。。?」
こうなることありませんか?

それはやはり、キーセンテンス=筆者の主張を見つけながら
読んでいないからだと思います。

じゃあキーセンテンスを探しながら読んでいくんですが、
ここでもの凄く大切なことがあります。

正直、この本を読んで一番学びになったポイントです。↓

キーセンテンスを探すことは、自分が賛成できる箇所を探すことではなく、
書き手が筋道立て言おうとしている結論を探すことだ。

山口 尚 『難しい本を読むためには』筑摩書房(2022/8/8)

この一文を読んで「あっ今までの読書間違っていたな・・・」と思いました。
なぜなら自分が本にマーカーしている個所はまさしく
自分が大切だと思っている=賛成できる箇所
だったからです。

これでは筆者の言いたいことを理解できるわけありませんよね。
なぜなら、自分が賛成できる所だけを重要視するという
間違ったフィルターをかけてしまっているからです。

自分の考えはまず置いて、
筆者の主張がどう展開されていて、
何が大切なのかを追っていかないと
本の内容は理解することはできません。

グルグル回りに入り込み 読み進めていく

全体の主張と各部分の意味をそれぞれ理解するには、

全体と部分の「グルグル回り」にうまく入り込むことが大事。

山口 尚 『難しい本を読むためには』筑摩書房(2022/8/8)

これはつまり

個々の1文の意味が分からないときは、
文章全体の内容をとらえることで、
その意味が見えてくる。

逆に文章全体の内容が捉えられないときは、
個々の1文の意味を捉えることで、
その意味が見えてくる。


これを繰り返すことが「グルグル回り」に入り込むということです。

文章を読むということは、キーセンテンスを探し出し、
全体と部分を行ったり来たりし、
最終的な理解に到達することを目指すものなのです。

『難しい本を読むためには』の感想・こんな人におススメ!

ワンランク上の文章に挑戦したい人
難しくて途中で挫折した本がある人

におススメの本です!

本書は実際の難しい文章を例題として
扱いながら読み進めていきます。


なので、実際にどう読んでいけば良いのかがイメージしやすくなっています。

ハウツーをただ紹介する本ではないので、
読む進めていくのには労力がいりますが、
その分、実践で使えるスキルを本書で身に着けることが
できると思います。

この本に興味を持った方はぜひ手に取ってみて下さい!

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