【本の要約・レビュー】聞く力 心をひらく35のヒント

今回は、阿川佐和子さんの書いた「聞く力」をテーマにした本です。
去年発売した「話す力」がとても面白かったので、10年前の本ですが対になる本書も手に取ってみました。

目次

『聞く力 心をひらく35のヒント』 の概要

出版社:文藝春秋
発売日:2012/1/20
ページ数: ‎256ページ
この本の読書難易度は★5中1です。

「35のヒント」というタイトルの通り35個のエピソードと教訓が描かれています。
前回ご紹介した「話す力」と同様に経験談から得られる教訓が綴られています。

エピソード1つ1つは5分もあれば読み切れるので、
時間があるときに手に取ってパッと読むのに向いてます。

インタビュアーの経験談から学ぶ聞く力

阿川さんと言えば、
『ビートたけしのTVタックル』でどんな人が来ても話をうまくさばける聞き上手の印象がありました。

ですが阿川さんはインタビューがとても苦手だったそうです。
そんな阿川さんがお仕事の経験、周りの人たちからの教えを経て、
聞き上手になっていく体験談が本書には沢山語られています。

今回もそんな中から私の心に響いたお話をまとめてご紹介します。
少しでも気になった方は、
本書を手に取ってみてくださいね。

質問は一つだけ

これは阿川さんの先輩アナウンサーの教えです。
インタビューをするとき、
沢山質問を用意してその通りに質問しようとすると、
話の展開に連続性がうまれません。

1つしか質問を用意していなかったらどうでしょう。

2つ目の質問を用意していないわけですから、
1つ目の質問の回答を必死に聞いてそこから次の質問を用意しなければならない。
そのため相手の話を必死に聞くことができるというわけです。

アドバイスをしない

あるセラピストさんは相手にアドバイスをしないそう。
それはある若者にアドバイスをした後、
その通りにしたら失敗したと言われた。

うまくいけばいいが、なにか悪いことがあるとアドバイスのせいにしてしまうのです。
本来、悩みを抱えている人は、その原因を探求する必要があります。
それなのに誰かの意見に頼ってしまうとこういうことになるんです。

私も似たような経験があります。

私は比較的ポジティブな性格をしているのですが、
ネガティブな人にどうしたら前向きになれるかとアドバイスを求められたことがあります。

アドバイスをするとその時はふむふむと聞いて、
「ありがとう、助かったよ」と言いました。
ですが私とその方の関係が悪くなったとたん、
毎回意見を押し付けられて辛かったと言われたことがあります。

それ以来、人に「こうした方がいい」なんていうことは控えています。
こう思うけどね。くらいにしておくのが無難だし結局相手のためでもあるんです。

相手の目を見る

阿川さんがモーガン・フリーマンをインタビューされたときのこと。
そのときはもちろん通訳の人を介してお話をします。

阿川さんの質問は日本語ですから、
もちろんモーガン・フリーマンは理解はできません。
ですがモーガン・フリーマンは阿川さんがしゃべっているときも常に目を見て一生懸命に話を聞いていたそう。

理解はできなくても真面目に話しているのだから、真面目に耳を傾ける。
そんな姿勢が相手への安心感をあたえ、コミュニケーションになっていくのですね。

私はリモートでの会話をコミュニケーションとして満足のいかないものと常々感じています。
それの理由はもしかしたらこれが原因だったのかもしれません。
リモートで真正面を向くにはカメラを見るしかありません。
そうすると相手の顔は見えない。つまり目を合わせることは不可能なんです。
どこか芯のある会話ができた気がしないのは、
「目を合わせる」という普段何気なくやっていることができないからなのかもしれません。

「話す力」と合わせて読みたい、面白くて学びのある本

「話す力」のときと同じく、阿川さんファンなら絶対買った方がいい1冊です。
阿川さんを知らなくても、体験談が非常に面白く、学びが多いので誰にでもおススメできる本です。

たまに誰ですか?みたいな人が仰々しく啓発本を書いているなんてことがありますが、
阿川佐和子さんは一目でわかる聞き上手です。

そんな人の経験談、アドバイスなら何か得られるものがあるでしょう。
言っていることも自然と腹落ちするはずです。
万が一にも学びがなかったとしても、お話自体が面白いので損はしませんよ(笑)

おススメです!ぜひ!

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