【本の要約・レビュー】 『ナマケモノは、なぜ怠けるのか』~あなたの個性には意味があるのです~

この世界には非常に多くの生き物がいます。

ライオン、ゾウ、チーターと力強くかっこいい動物達。

一方で見た目が弱そうで、
どう見てもカッコ良くない生き物だってたくさんいます。

それらの動物は下等で取るに足らない生き物なのでしょうか?

例えばカタツムリなんかは見た目も弱そうで,
移動する速度だって早くはありません。

だけど冷静に考えるとカタツムリはすごい進化をしているのです。
なぜならカタツムリは貝の仲間なのです。

なのに平気な顔で地上を動き回って呼吸をしています。
つまり「肺呼吸」が出来るように進化したのです。

貝の仲間なのに。。。

こう考えるとカタツムリもすごい進化をしてきたのです。

本書ではいわゆる
「つまらない」
と思われている人気のない生き物に焦点をあて、
その魅力を紐解いていきます。
またそこから我々が生きていくためのヒントも与えてくれます。

目次

『ナマケモノは、なぜ怠けるのか』の概要

版社:筑摩書房 
発売日:2023/5/11
ページ数: 2023/5/11
この本の読書難易度は★5中★2です。

著者は当ブログで何度も紹介している稲垣栄洋さんです。
(↓の記事もぜひご覧ください!)

タイトルだけ見ると
「単なる雑学紹介の本なのかな。。。」
と思ってしまいますがそんなことはありません。

動物の生き方から我々現代人に対して多くの知見を与えてくれます。
自分の生き方にもつながる深い内容となっています。

この本はこんな人にオススメです。

・生物の秘めた力を知りたい人
・自分の生き方、個性に悩んでいる人

『ナマケモノは、なぜ怠けるのか』から学んだこと、心に残ったこと

ナマケモノが、怠ける理由

本のタイトルにあるように、
ナマケモノはなぜあんなにも怠けているように見えるのでしょうか。

確かに動きはゆっくりですし、
一日を通してほとんど動いたりしません。

なぜこんな生活スタイルになったのでしょうか。

まず一つに
消費エネルギーを抑えて、少量のエサで生活できる
というメリットがあります。

ナマケモノはエサを多く必要としないので、
その分餌を探し求める労力を節約することができます。

そしてもう一つのメリットが
天敵である肉食動物に狙われにくくなる

肉食動物は素早く動く動物を追いかけることは得意です。
一方でナマケモノは殆ど動きません。

動かずに周囲の風景と同化することで、
天敵から身を守っているのです。

自分の個性・能力を考えたうえで、
ナマケモノはベストな生き方をしているのです。

得意なところで勝負する。イルカは早く走れない

生物の基本の生存戦略は
「苦手なところで勝負しない」
「得意なところで勝負する」

です。

イルカは泳ぐのが得意ですが、
陸に上がったら当然何もできません。

当たり前ですが速く走ることもできません。

ですがイルカはそんなことは気にしていません(はず?)

なぜなら彼らにとって大事なのは
「いかに水の中で速く泳ぐか」
「いかに水のあるところで生活するか」

ということだからです。

これは人間の生き方にも、
当てはまるところがあるのではないでしょうか。

苦手なものを人並みのレベルにするのも、
もちろん大切でしょう。

ですがそれには大変な労力がかかります。

そして人に勝るレベルにすることは難しいです。

それなら自分の強みが発揮できるフィールドで戦えばいいのです。
環境だって変えていいのです。

今自分の力が発揮できずに、
悩んでいる方もいると思います。

しかしそれは自分に問題があるのではなく、
環境があなたにとって合っていないだけどいう可能性も大いにあるのです。

人間の脳は比べたがるし、そろえたがる

人間の脳の特徴とはなんでしょうか。
それは
「線を引いて区別すること」
「そろえたがる」

生物の世界では様々な生物が、
それぞれの生き方(多様性)をもって生きています。

多様性は武器であり個性であり、
その生き物の魅力です。

しかし人間は多様性が大事と分かっていながら、
複雑なものは苦手です。

複雑だと理解できないからです。

それでは人間は何をするのでしょうか。
それが
「線を引いて区別する」
ことです。

「私は地球出身の○○です。人間です」
よりは
「私はアメリカ出身の○○です。会社員です」
の方が人間の脳はすっきりと理解することができます。

また基本的に「そろえたがる」性質も持っています。

不揃いだと気持ち悪いのです。
野菜だって市場に出回っているものは、
大きさがそろえられています。

「個性が大事です!」
なんていうことが声高に叫ばれています。

しかし困ったことに我々人間の脳は、
なるべく差がないことを好んでいるのです。

こういった癖を持っていることを意識しておくことは
大切だと思います。

あなたはあなたであることに価値がある。

人間の容姿や運動神経などの多くは
受け継いできた遺伝子が決定します。

つまり自分の努力では如何ともし難いことが、
多いということ。

では努力することは無駄でしょうか。

そんなことはありません。

むしろ努力することにより、
「自分の出来ること・出来ないこと」
を発見出来ます。

それは生き方の戦略を考えるヒントになります。

我々人間はみな違った個性を持って生きています。
自分と同じ人間は2人としていません。

そして不必要な個性は自然界には存在しません。

なにかしら意味があるからその個性を持って、
あなたは生まれたのです。

あなたはあなた以外の誰にもなることはできません。
あなたは自分自身を磨くしかありません。

あなたはあなたであることに意味があるのです。

『ナマケモノは、なぜ怠けるのか』を読んで一番心に残ったこと

                 不必要な個性は自然界には存在しない

「自分てなんてダメなんだろう」
「なんでこれが苦手なんだろう」

そう思うことがあるかも知れません。

しかし生物の世界では不必要な個性はありません。
どれも必要とされているから備わっているのです。

落ち込んでいるときに背中を押してくれる一言ですよね。

『ナマケモノは、なぜ怠けるのか』を読んでの感想

著者の作品はしばしば受験問題の題材にも選ばれるらしく、
その為文章は誰が読んでも分かりやすい
非常に読みやすい内容となっています。

疲れた時に本書を手に取って生物の生き方を見ると、
クスッと笑えたり、背中を押されたりと、
リラックスできる良書になっています。

大人から子供まで楽しめる内容になっていますので、
ぜひ手に取って読んでみてください!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメント一覧 (1件)

コメントする

目次