「簿記2級、独学で受かるのかな」
「3級は持っているけど、2級ってどれくらい大変なんだろう」
そう調べているうちに、このページにたどり着いたのではないでしょうか。

私は事業会社の財務部で働いています。簿記2級はネット試験を独学で受験し、一発合格しました。勉強期間は6か月、総勉強時間はおよそ220時間。結果は86点でした。
働きながら、しかも小さい子どもがいる状態での挑戦でした。机に向かえる時間は、決して多くありません。だからこそ、同じような環境の方に役立つ「現実的な勉強法」をお伝えできると思います。
この記事でわかること
- 簿記2級の試験概要と、最新の合格率
- 独学に必要な勉強時間の目安と、私の実際の時間
- 働きながら合格した6か月のスケジュールと、3ステップの勉強法
- 工業簿記を先に仕上げるべき理由と、スキマ時間の使い方
この記事の結論:独学合格のポイントは3つ
先に大事な点をお伝えします。
- 問題集に、とにかく早く取りかかる(教科書を読み込む時間は最小限でいい)
- 工業簿記を先に完成させる(部分点が取りにくいので、後回しにすると苦しくなる)
- 毎日、短時間でもいいから触れる(間が空くと、面白いほど忘れます)
この3つを守れば、独学でも合格ラインは十分に狙えます。
簿記2級はどんな試験?【試験概要と合格率】
まずは、試験の全体像をおさえておきましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受験資格 | なし(3級を持っていなくても受験できる) |
| 試験方式 | ネット試験(随時)/統一試験(年3回:6月・11月・2月) |
| 試験時間 | 90分 |
| 出題 | 大問5問(第1〜3問:商業簿記、第4・5問:工業簿記) |
| 配点 | 商業簿記60点・工業簿記40点 |
| 合格基準 | 100点満点中70点以上 |
| 受験料 | 5,500円(税込) |
※受験料や試験方式は変更されることがあります。申し込み前に、>日本商工会議所の公式サイトで最新情報を確認してください。
合格率は、ネット試験で3割ほど
日本商工会議所が公表している>受験者データによると、直近の合格率は次のとおりです。
| 試験 | 期間・回 | 合格率 |
|---|---|---|
| ネット試験 | 2025年4月〜2026年3月 | 32.9% |
| ネット試験 | 2026年4月〜6月 | 31.9% |
| 統一試験 | 第173回(2026年6月) | 15.1% |
| 統一試験 | 第172回(2026年2月) | 15.1% |
ネット試験でも、合格するのはおよそ3人に1人。しっかり準備が必要な試験であることは間違いありません。
ただ、受験資格がなく、ネット試験なら自分の都合で日程を選べます。働きながらでも、計画さえ立てれば十分に挑戦できる資格です。
簿記2級の勉強時間は?目安と私の実際
簿記2級の勉強時間の目安は、>TACの公開情報によると、3級に合格している人で250〜350時間、簿記の勉強経験がない人で400〜500時間とされています。

私の場合は、約220時間でした。3級は8年前に取得していたものの、内容はほぼ忘れた状態からのスタートです。
目安より少ない時間で済んだのは、インプットを最小限にして、問題を解く時間に多くを割いたことが大きかったと感じています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 勉強期間 | 約6か月 |
| 総勉強時間 | 約220時間(1日あたり1時間強) |
| 学習形態 | 完全独学 |
| 受験方式 | ネット試験(CBT) |
| 結果 | 86点で合格 |
| 簿記3級 | 8年前に取得(ほぼ忘れた状態からスタート) |
| 環境 | フルタイム勤務+小さい子どもあり |
ネットには「簿記2級なんて○か月で余裕」という記事もたくさんありますが、あまり鵜呑みにしないほうがいいと思います。
書いている人の状況次第で、必要な時間はまったく変わるからです。働きながらなら勉強時間の確保は普通に大変ですし、小さい子どもがいれば、そもそも机に向かう時間を作ること自体が難しい。私自身、勉強時間を捻出するのが本当に大変でした。
だからこそ、限られた時間をどこに使うかが、何より大切です。
そもそも、なぜ簿記2級を受けたのか
きっかけは、仕事で財務部に配属されたことでした。
過去に一度財務部にいた経験はあったのですが、久しぶりの再配属。しかも周りを見渡すと、簿記2級を持っている人が結構いる状況です。
「これは、せめて人並みのレベルにはならないとまずい」
そう思ったのが、受験を決めた理由です。
ちなみに、簿記の勉強より先に読んで役立ったのが『財務3表一体理解法』です。損益計算書・貸借対照表・キャッシュフロー計算書のつながりが先にわかると、簿記で学ぶ仕訳の「意味」が見えやすくなります。
会計という言葉そのものに苦手意識がある方は、さらに手前の一冊として『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』から入るのもおすすめです。
【前提】簿記2級は「3級の延長」ではない
勉強を始めて最初に思ったのが、「あれ、2級ってこんなに難しいの?」ということでした。
3級と比べて、2級はここが違います。
- 工業簿記が丸ごと追加される → 学習ボリュームが単純に増える
- 商業簿記の論点が難しくなる → 連結会計など、明らかに難易度の高いテーマが登場する
3級の感覚のまま始めると、量と難しさの両方で戸惑うかもしれません。最初から「別の試験」くらいのつもりで計画を立てておくと、気持ちがラクになります。
6か月の学習スケジュール
実際に私が進めた流れは、次のとおりです。

| 時期 | やったこと |
|---|---|
| 1〜2か月目 | 教科書のインプット(3周) |
| 3〜5か月目 | 問題集をひたすら解く |
| 6か月目(直前1か月) | 模擬試験を毎日1回 |
| 期間中ずっと | スキマ時間に仕訳問題 |
ポイントは、インプットに使うのは全体の3分の1だけということ。残りはすべてアウトプットに充てています。
STEP1|インプットは2か月。深追いせず、間を空けずに3周回す
教科書は、↑の2冊(TAC出版『みんなが欲しかった! 簿記の教科書 日商2級』の商業簿記・工業簿記)を使いました。
この教科書には、ネットで解ける仕訳問題が付いてきます。スキマ時間の勉強にそのまま使えて、これが想像以上に便利でした。
読み方は、次の3ステップです。
- 1周目:ざっと読むだけ 深く理解しようとしなくてOK。まずは全体像をつかみます。
- 2周目:練習問題を解きながら読む 間違えた問題・手間取った問題にチェックを入れます。間違えた箇所は、教科書に戻って丁寧に理解しておきましょう。
- 3周目:練習問題だけを解く 時間がない人は、チェックを付けた苦手問題だけで構いません。
ここまでで、インプットは終了。私は約2か月で終わらせました。
そしてもうひとつ大事なのが、毎日必ず勉強することです。簿記は間が空くと、驚くほどきれいに忘れていきます。5分でも10分でもいいので、毎日触れておくほうが、結果的に近道です。
STEP2|3か月目には問題集へ。教科書だけでは解けません
問題集は、教科書とシリーズでそろっている『みんなが欲しかった! 簿記の問題集 日商2級』を使いました。正直、問題集自体はどれを選んでも大きな差はないと思います。
ただし、取りかかるタイミングは大事です。遅くとも3か月目には、問題集に移るのがおすすめです。
理由は、問題集が教科書の例題とは難易度がまるで違うからです。はっきり言って、教科書を読んだだけでは、問題集はほとんど解けません。
もちろん教科書の知識は必要です。でも実際の問題では、
- 複数の論点を組み合わせて考える
- 決まった手順で効率よく処理する
といった、問題を解くことでしか身につかない技術が求められます。
いつまでも教科書を読んでいると、本番形式の問題を前にしたときにまったく歯が立ちません。とにかく数を解いて、解き方の「型」を頭に入れていきましょう。
私は、試験の1か月前まで問題集を回し続けました。
STEP3|ラスト1か月は模擬試験を毎日1回
直前の1か月は、模擬試験に切り替えます。
使ったのは、TAC出版の『日商簿記2級 まるっと完全予想問題集』。模試が12回分入っていて、さらにネット模試を受けられるプログラムも付いているタイプの問題集です。
ネット模試のほうは「本番のCBTがどんな画面なのか」を確認する程度にしか使いませんでした。それでも、初めてネット試験を受ける人は、一度触れておくと安心だと思います。
やり方は、1日1回は必ず解く。これだけです。
どうしても時間が取れない日は、工業簿記のパートだけ先に解いて、残りは後日に回す分割方式にしていました。なぜ工業簿記を優先したのか——その理由が次の話です。
迷ったら工業簿記が先。理由は「部分点が取りにくいから」
商業簿記と工業簿記、どちらを優先すべきか。
私の答えは、工業簿記です。

実際に解いてみるとわかりますが、工業簿記は、最初の計算を間違えるとその後の解答が全部つられて間違う、という構造の問題が多いんです。
- 商業簿記:うろ覚えでも、拾える部分点がある
- 工業簿記:一連の流れを理解していないと、そもそも得点になりにくい
つまり、工業簿記は「できる/できない」がはっきり出やすい。逆に言えば、仕上げてしまえば安定した得点源になります。配点は40点と商業簿記より少ないものの、ここで安定して点を取れると、合格ラインの70点がぐっと近づきます。
だから、時間がない人ほど、
工業簿記を先に完成させる → 商業簿記は直前に詰め込んで部分点を狙う
この順番がおすすめです。
スキマ時間は「仕訳問題」に全振りする
まとまった勉強時間が取れない人こそ、通勤・通学の時間を使い倒しましょう。
その時間に最適なのが、仕訳問題です。1問あたりが短く、数分あれば取り組めます。スマホアプリもあるので、とにかく数をこなしてください。
私は、どんなに忙しい日でも仕訳問題だけは毎日欠かさないようにしていました。机に向かえない日があっても、「ゼロの日」を作らない。それが、働きながら続けられた一番の理由だったと思います。
簿記2級の独学でよくある質問
3級を持っていなくても、2級を受けられますか?
受けられます。簿記2級に受験資格はありません。
ただ、2級は3級の内容が前提になっています。私のように3級の知識が抜けている人は、最初の1か月で3級の範囲(特に仕訳)をざっと復習しておくと、その後がぐっと楽になります。
ネット試験と統一試験、どちらがおすすめですか?
私はネット試験で受験しました。自分の都合に合わせて日程を選べるので、仕事や子育てで予定が読みにくい人には特におすすめです。
試験時間は90分、合格ラインは70点です。受験料や最新の試験方式は変わることがあるので、申し込み前に日本商工会議所の公式サイトで確認してください。
独学でも本当に合格できますか?
私は完全独学で合格できました。市販の教科書・問題集・予想問題集の3種類で、必要な範囲はカバーできると感じています。
ただし、独学は「自分で勉強のペースを管理する」ことが前提です。毎日少しずつでも続けられるかどうかが、合否を分けるポイントだと思います。
1日の勉強時間はどれくらい必要ですか?
私の場合は、6か月で約220時間、1日あたり1時間強でした。
まとまった時間が取れない日も、スキマ時間に仕訳問題だけは解くようにして、「毎日触れる」ことを優先していました。
教科書は何を使えばいいですか?
私はTAC出版の「みんなが欲しかった!」シリーズで、教科書・問題集・予想問題集までそろえました。
シリーズで統一すると、解説の書き方や論点の順番が同じなので、復習がスムーズです。
もう一度受けるとしたら、何を変えますか?
答えはひとつ。とにかく問題集を優先します。
合格してから振り返っても、点数につながったのは、教科書を読んでいた時間より、問題集を解いていた時間でした。教科書は「わからないところを調べる辞書」くらいの位置づけにして、できるだけ早く問題を解き始める。これから受ける方に、いちばん強くおすすめしたいポイントです。
まとめ|時間がない人ほど「どこに時間を使うか」で決まる
- 簿記2級は受験資格なし。ネット試験なら日程を自由に選べる
- 勉強時間の目安は、3級合格者で250〜350時間。私は約220時間で合格
- インプットは2か月で切り上げ、残りは問題集と模擬試験に充てる
- 工業簿記を先に完成させ、商業簿記は直前に詰めて部分点を狙う
- スキマ時間は仕訳問題。「ゼロの日」を作らない
この方法で、私の試験結果は86点でした。合格ラインの70点に対して、しっかり余裕を持って合格できています。
働きながらでも、子育て中でも、簿記2級は独学で十分に狙えます。時間が足りないのは、みんな同じ。だからこそ、どこに時間を使うかを決めた人から、順に受かっていくのだと思います。
時間がない中で、簿記2級に挑戦しようとしているあなたへ。ぜひ、今日から試してみてください。
勉強を始める前に会計の全体像をつかんでおきたい方は『財務3表一体理解法』を、効率的な学習の進め方をもっと知りたい方は『科学的根拠に基づく最高の勉強法』の記事もあわせてどうぞ。

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