社会的な生き物である私たちは日々誰かに何かを伝えるということをしています。
そんな中で「伝えたはずのことが伝わっていない」、
あるいは「伝えたはずのことが伝わっていない」ということが多々あるはずです。
伝え方を間違えて人を傷つけてしまったり、
勘違いをさせてしまったり、
上手くいくはずのものがうまく行かなかったり、
そんな経験は誰もがしているかと思います。
この本では「伝わるとはどういうことか」ということにフォーカスし、
伝わるための技術がつめ込まれた本です。
『バナナの魅力を100文字で伝えてください 』 の概要
大変読み易い本です。
著者の体験談や日常にあるものや出来事でのたとえ話もあるので、
理解しやすいような工夫がされています。
この本はこんな人にオススメです。
人は、正しいかどうかではなく「伝わったこと」で判断する
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人は、正しいかどうかではなく「伝わったこと」で判断します。
つまり伝わっていないものは存在しないのと同じということです。
心の中で思っていることは他人からは見えない、
つまり「伝わりにくい」ということになります。
「言わなくてもわかってくれるだろう」
と相手に期待することはしない方がいいでしょう。
伝えることの重要性が理解出来たら、
次は伝え方の課題についてみていきましょう。
伝え方の課題は2つある
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伝え方の課題は「伝える不足」と「伝え方下手」にあります。
・伝える不足→量の問題
・伝え方下手→質の問題
順番に見ていきましょう
伝える不足
伝える不足は量の問題、つまり伝える頻度の問題です。
人は一度の説明で理解できなかったり、忘れてしまったりしてしまうことがあります。
なので伝えたいことは何度も伝える。
そして忘れっぽい人など相手に合わせて伝える頻度も意識することが大切です。
ただし伝える頻度を増やして逆効果になることもあります。
それは伝え方下手に問題があります。
伝え方下手
伝える中で相手にマイナスの感情を抱かせてしまうと、伝える頻度が高くても逆効果になってしまいます。
自慢話や抽象的すぎる話など相手のことを考えない
質の低い伝え方をしてしまうと一生懸命伝えても伝わりません。
相手に何かを伝えたいときは、
伝える頻度を高めて、伝え方の質を上げていくことが大切です。
伝わるとは7階建て構造
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伝わるの構造は7階建ての構造になっています。
①ゴール設定
②納得感
③相手ベース
④見える化
⑤聞く力
⑥親近感
⑦信頼感
①ゴール設定
「何のために」伝えるのかのゴール設定
②納得感
一方的に伝えても相手が理解していなければ意味がありません。
相手が納得して初めて伝わったことになります。
相手ベース
「伝えること」=「伝わること」ではありません。
伝えるとは自分ベースで、
伝わるとは相手が理解する、つまり相手ベースなのです。
あくまで相手ベースで、相手によって伝え方を変えていくことも大切です。
見える化
相手に納得感を与えるためには、「見える化」させることが重要。
自分がイメージしているものを相手にもイメージさせる。
見える化の達人はうまい落語家やレポーターなどで、
いずれも話の情景が思い浮かぶように伝えることができます。
聞く力
相手の話を聞くことで何を伝えるべきなのかを把握することができます。
相手にとって必要性の高いことは何なのかを見極めます。
親近感
嫌いな人の言っていることは頭に入ってこなかったり、疑ってしまったりということがあるかと思います。
逆に親近感のある人であれば話をよく聞いてみようという姿勢になってもらえます。
信頼感
誰が発する言葉であるかによって、
言っていることは同じでも伝わり方が変わってきます。
伝わる構造がわかったら次は伝わる技術についてみていきます。
16個の技術の中から抜粋してご紹介します。
伝わる技術
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ファクトとメンタルの法則
伝えるとは2つに分けられます。
それは「ファクト(事象・事実)を伝える」「メンタル(感情)を伝える」の2つです。
吉野家のキャッチコピー
「うまい、はやい、やすい」
はうまいがメンタル
はやい、やすいがファクト。
ニトリのキャッチコピー
「お、ねだん以上。」
お、の感嘆詞がメンタル
ねだん以上がファクト。
このようにファクトとメンタルをうまく掛け合わせることでより相手に伝わりやすくなります。
また相手がファクトとメンタルのどちらを伝えたいか寄り添うことも大事です。
男女間でのトラブルがよくありますが、
メンタルが伝えたいことなのに、ファクトに対する回答をしてしまうというのはよくあることかと思います。
相手メリットでイエスを引き出す
人にものを伝えるとき、
自分メリットではなく相手メリットを考えます。
デートであれば相手にメリットがあるように誘う。
などです。
これはマイナスの状況でも使うことができて、
レストランで料理が来ないときの対応でも伝わり方が全く異なります。
ただ「もう少々お待ちください。」というのではなく、
相手目線に立ち、
「おいしい料理を一生懸命作っておりますのでもう少しお待ちください」
といえば感じ取る側の気持ちが全く違います。
伝わる人が実践していること
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伝え上手な人は相手に「伝わらない」ということを前提にしています。
そもそも相手の性別や経験、環境、持っている知識によって見えている世界が違うのだから、
「伝わる」というのはとても難しいことです。
なので、これを前提としてなぜ伝わらないのかを相手ベースで考えます。
相手ベースで考える、
つまり自分のことだけではなく”相手のことを考えるやさしさ”があるといいということです。
性格を矯正するということではなく、
「やさしさ」を意識するだけでも効果的です。
伝わらなくてイライラすることもあるでしょう。
イライラや負の感情は相手に伝染し、
「伝わる」からどんどん遠ざかってしまいます。
そんなときは相手の立場にたって「やさしさ」を意識してみましょう。
『バナナの魅力を100文字で伝えてください 』を読んだ感想
この本では明日から使えるテクニックや伝えるとはどういう構造になっているかを学ぶことができました。
もちろんこの本に載っているテクニックすべてではないですが、
相手を思う「やさしさ」があればほとんどのテクニックに結果としてつながるのではないかと思います。
本書にもありましたが、
性格をいきなり優しくすることは難しいですが、
ふとした時にやさしさを意識するだけで結果は違ってくると思います。
考えてみれば当然で伝わるというのは、
伝える自分と伝えられる相手との共同作業で行うもので、
そこに相手を思うやさしさがなければ成り立たなくなってしまうのは当たり前ですよね。
普段のコミュニケーションが単なる情報をぶつけるだけにならないように、
相手に合わせて、
時には感情(メンタル)をのせて、
相手に伝わることを実践していきたいと思います。
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