結構ショッキングな見出しです。
幸福論は有名な本ですが、こちらは「降伏論」です。
幻想から脱出したければ、諦めることだ。「 いまの自分では、永遠に結果を出すことはできない」と降伏 することができれば、そこから成功への道は一気に開かれる。
高森 勇旗. 降伏論「できない自分」を受け入れる. 日経BP. Kindle 版.
一生懸命が美徳とされる日本ですが、著者は一生懸命は「現実を直視せず、結果に至るための具体的な方法を
考えることを諦める幻想の世界」とまで言います。
とあるスポーツ選手も同じようなことを言っていて話題になりましたよね。
確か「努力は裏切らないっていうけど、頭を使わないと普通に裏切るよ」
こんなニュアンスだったと記憶しています。
著者は元プロ野球選手で、活躍ができずに引退後、データアナリスト、ライターなどの仕事を経て、ビジネスコーチとしての活動を行っている珍しい経歴の持ち主です。
彼が実際に経験し、感じた
「パフォーマンスを上げるためにはどうしたらいいか」
「結果を出すとはどういうことなのか」
について本書では紹介されていきます。
降伏論の概要
著者の実体験に基づく説明はわかりやすく、
また納得感も大きいです。
実例が多いので、内容を想像しながら読み進めることができます。
よって今回は読書難易度は★2です。
一番心に残った部分 未完了をなくすこと
結果を出す上で重要なのは、アプリケーションを動かすためのOSだ。まず自身のOSを、アプリケーションを正常に動かせる状態にアップデートしなければならない。最新のアプリケーションは、Windows95の上では動かない。どれだけ綺麗な花でも、汚い部屋に飾っていては、本来の機能を発揮しない。うまくいくやり方を学ぶ前に、自分自身の部屋を綺麗にし、やり方を迎え入れられる状態にしよう。
高森 勇旗. 降伏論 「できない自分」を受け入れる 日経BP. Kindle 版.
まず自身を結果を出すことのできる状態にもっていかないといけないと著者は言います。
ではそのために必要なことは何でしょうか。
それは
「未完了をなくす」
ということです。
時間などの外部要因によって物事が終わることを〝終了〟というのに対し、自らの意志によって区切りをつけることを完了という。〝終了〟の領域に分類されるイベントは、多くの場合「未完了」となり心の中に残り続ける。
高森 勇旗. 降伏論 「できない自分」を受け入れる 日経BP. Kindle 版.
自分の意志で終わらせることが出来ていないものを未完了といいます。
そしてこの未完了があることで、もうそのこと以外考えられなくなります。
実際にどんなものがあるでしょうか。
ケース①
妻と朝喧嘩になった。その喧嘩は解決することなく、そのまま仕事に行くことになる。
しばらくは仕事に集中出来ていたが、ふとした時にそのことを思い出す。
そしてその間、自分のエネルギーを奪っていく。
この夫婦喧嘩が解決するか、何らかの決着がつくまで頭の片隅に残り続けるだろう。
こんな未完了は誰しも皆さん持った経験はありますよね。
こういった未完了は頭の中に残り続けることになります。
未完了が沢山ある人は、目の前のことに集中力を発揮しようとしても、
そもそも未完了の方にばかり集中力が奪われてしまいます。
これでは自分の能力を発揮できるわけがありませんよね。
物事を完了の方法は以下の4つがあります。
①いま、やる
②いま、誰かに依頼する
③いま、実行する日を決める
④いま、やらないと決める
①~③は分かると思いますが、④のやらないと決めることも物事に区切りをつけることに
なります。
このタスクを行うことで、自身のパフォーマンスを取り戻すことができます。
例えるなら、重くなったPCから余計なアプリを削除して、軽くするイメージでしょうか。
少し勇気がいるが、何よりもまず自分自身の完了状態を優先して生きてみる。そうすることで、パフォーマンスは劇的に、自分の想像以上に回復し、元々あった素晴らしい状態に戻るだろう。
高森 勇旗. 降伏論 「できない自分」を受け入れる 日経BP. Kindle 版.
これを意識して行うことで、如何に自分が
色々なことを気にして生活していたことに気づくと思います。
少し勇気が入りますが、ぜひやってみてください。
想像以上に効果があることを実感出来ます。
個人的のこの本で一番役に立ったのが、このパートだったので
ぜひ皆さんもトライしてみてください!
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