皆さんが集中出来ないときってどんな時ですか?
イライラしている、不安を感じている等、場面は色々あると思います。
そんな時、頭の中に色々な考えが浮かんでいませんか?
「なんで、あいつはいつもいい加減なんだ」
「うまくプレゼンできるかな。また失敗するんじゃないのか」
本書では、これらの頭の中で浮かんでくる言葉を「Chatter(チャッター)」
とし、うまく対処する方法を教えてくれます。
余談ですが我々は、起きている時間の2分の1から3分の1を今を生きていないそうです。
要はchatterの言葉に翻弄されて、「未来を心配」し、「過去を後悔」して生きているということです。
これって本当にもったいないですよね。
今を楽しく、充実させて生きるためにも、ぜひ本書を読んでみてください。
Chatter(チャッター)の概要
きちんと論文に基づいて説明されているので、納得感があります。
参考文献も細かく紹介されているので、内容が気になった人は自分でさらに調べることも可能です。
chatter(チャッター)の正体
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chatter(チャッター)とは何者なのでしょうか。
これは「循環するネガティブな思考と感情」と
著者は定義づけています。
最近聞く言葉で「内省」なんて言葉がありますよね。
瞑想が流行ったときに聞くようになった言葉です。
これらは自身の内面に向き合うことで、
精神の安定を図ることを目的としています。
しかし最近の研究で、「苦痛を感じているときに内省を実行しても有害無益である」
ことが証明されています。
調子が悪い時に内面に向かうと余計ネガティブな考えばかり浮かんで
気分が落ち込んだ経験がありませんか?
あれがまさによくない内省です。
chatterが悪さをしているのです。
かといって自分に話しかけるのをやめる必要はありません。
大切なことは自分との話し方を学ぶことです。
内なる声はなぜ存在するのか
悪い考えばかりを想起させる悪い内なる声=チャッターも含め、
なぜ自分自身の内なる声は存在するのでしょうか?
これは人間であるがゆえ・・・・というのが理由です。
私たちは心を利用して、自らの経験を理解する必要がどうしてもあります。
そうする際には、言語が必ず介在してしまうのです。
皆さんも考え事をする際に、頭を空っぽには考えられませんよね?
必ず声には出さないけど、心の中、頭の中で言葉を利用しているはずです。
つまり内なる声そのものは悪いものではありません。
むしろ人間を人間たらしめている要素といっても過言ではないでしょう。
ただ問題なのが、それらの内なる声がネガティブな方向へ向かってしまった時です。
チャッターによる悪影響
不安な考えを繰り返すチャッターは、人々が集中することを邪魔します。
これは皆さん言われるまでもなく、経験されたことだと思います。
しかしほかにもチャッターは人々に悪影響を与えます。
チャッターはしばしば心の中を飛び越えて、口から表現されるようになります。
つまり不安な感情や怒りは他社に話さずにはいられないのです。
そしてこういったネガティブな感情は、それが強ければ強いほど、人々は
繰り返し話したくなるのです。
そうなるとどういったことが起きるでしょうか。
まずは愚痴っぽい人間になるので、それだけで人を遠ざけてしまいます。
また、過去の出来事にこだわって、くよくよ考えれば考えるほどに、
その負の思いはどんどんと大きくなっていきます。
そしてチャッターは、攻撃対象にふさわしくない相手に攻撃するように
私たちを誘導します。
例えば、会社で上司に怒られて、むしゃくしゃした思いを家族に八つ当たりするなどです。
チャッターは心の中に留まっているだけではないのです。
うまく対処しないと、実生活にどんどんと悪影響を与えて行ってしまうのです。
内なる声をうまく使い「客観的に自分を見ることで、問題から距離をとる」
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私が一番この本を読んで役に立ったのは
「客観的に自分を見ることで、問題から距離をとる」
というところです。
心の声はうまく使うことで、ポジティブな影響を生むこともできます。
皆さんも友達や同僚の相談には冷静に答えることができるのに、
自分のこととなると途端にそれが出来なくなることはありませんか。
上手く相談に乗ることができるのは、問題から心理的な距離をとっているからです。
そうすることで冷静に問題を見つめることができるわけです。
さて難しいのは自分に問題が起きた時です。
どのようにしたら客観的な目を持つことが出来るでしょうか。
著者がおススメしているのが
「他人のように自分に語りかけることで問題と距離を取る」
方法です。
例えば自分が太郎だとして
「太郎、今やるべきことはなんだ?」
「太郎、問題が起きても大丈夫だ。今まで乗り越えてこれたはずだ」
このメソッドを使用することで、あたかも第三者に話しかけているような
感覚になり、悩んでいるときに視野を広くすることが出来ます。
チャッターは問題に押しつぶされそうになると、人の心を蝕んでいきます。
プレッシャーを感じた際は、ぜひこの方法を試してチャッターを上手くコントロールしていきましょう!
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